サマー開始までの数日間①-渡米の航路-
こんにちは。
金曜日ということもあり怒涛の記事投稿をしております。
さてサマーに参加してはやおよそひと月、サマーが始まるまでの間について書いてゆきたいなと思います。
サマー・プログラム(Summer Experience)は2018年度では7月9日から始まりました。私のように日本から来る人にとってはその前日や当日にアメリカに入国するということをしたいとは思わないかと思います。むしろ、思われる方は挑戦されてもよろしいかと思いますが、以下で触れる点についてお気を付けください。
学校によっても異なるのですが、ジョージタウンの場合、サマーの期間の滞在先は2つの選択肢に分かれます。1つはジョージタウン・ローが所有している寮(Gewirz House)に入るか、自分でアパートメントやホテルを借りてそこから通うという2つのパターンになるかと思います(後は家を所有している、若しくは家を買うという選択肢もありえましょうが)。
私は前者の入寮を選びました。入寮できるのがサマーの始まる前日からとなっており、さすがにその日にアメリカに入国するというのも中々だろうと思いました。
そこで以下は私の経験談になりますが、以下のような流れを取りました。
7月5日 出国&入国
7月5日~7月8日 ホテル滞在
7月8日 入寮
7月5日に、鶴丸派(JAL)の私は、成田を10時50分に出発する日本航空のシカゴ行(JL010)に搭乗し、現地時間(中部時間)8時50分着、その後13時半ごろに出発するアメリカン航空1486便にてワシントン=ナショナル・レーガン行に乗り継ぎ、16時29分にワシントン入りすることにしました。
鶴丸さんは世界トップレベルの時間管理のおかげで早く到着してくれましたのでシカゴではむしろ時間が余ってしまい1つ前の12時に出発する便に振り替えてもらおうかと思っていました。幸いにもラウンジが利用できたので時間をつぶして、さて搭乗したらいいものの、機材故障で出発が遅れ、更にそこに天候不良による遅延が重なり、離陸したのは予定よりも4.5時間遅れ、なんとワシントンについたのは21時過ぎでした。最悪なことに機内に4時間近く待たされたので窮屈な時間ではありました。
まあ30年ほど前には鶴丸さんは東京―ワシントン便を就航しておりましたが、この政府役人しか運ばないと言われるフライトですから採算もとれず(かつあの経営でしたから)撤退しましたが、よく考えれば、世界経済1位の大国の首都と世界経済3位の国の首都を直行で結ばない神経が良くわかりません。むしろ、ヴァンクーバー便より重要な気もします…
悪いところばかり書いてもしょうがないので、この旅程のいいところを挙げます。
①シカゴに朝早く(9時前)ので、入国審査が並ばない。この時間帯に到着するのがANAさんの羽田便とエティハド(A380)だけなので、夕方ほどの混雑はありません。
②シカゴでは荷物のターンテーブルの先に乗り継ぎ用のラゲージ・ドロップオフのカウンターがある。(予め受託手荷物のタグが最終目的地までになっていることが前提)
*①②に共通していえる前提:シカゴ・オヘア空港は特殊な構造をしていて、国際線(カナダ除く)の到着は到着専用ターミナルに全ての便が到着し、そこで入国審査を受けます。その後乗り継ぎがある人はターミナル移動しなければならないのです。
その点、ANAさんは優秀ですね。ですから、ジョージタウンにいらっしゃる方やワシントンD.C.を観光で訪れようと考えていらっしゃる方は、私のようにマイルに囚われていないのでしたら、直行便を持っているANAさんをおすすめします。
まあ、ここまでお読みいただいた方はお判りでしょうが、私は飛行機が大好きなのです。実際、このワシントンに入るのにワンワールド縛りで、いくつもルートを思案しました。
現実的に良いものがあったので、書いてみようと思います。
・JL41 →BA 217
これ意外と穴場だと思いました。JL41便は深夜に羽田を出て早朝にロンドンに到着し、おそよ5時間のトランジットでブリティッシュ・エアウェイズの大西洋便で、ワシントン・ダレス(IAD)に入るというものです。
これのいいところは、①睡魔によってすぐ寝られる、②ロンドンでは乗り継ぎレーンがあるので、イギリスに入国する必要がない、③ロンドンで手荷物を一度引き取る必要がない(その反面、悪名高いヒースローのロストバゲージの可能性もあります)、③米国入国がワシントンで直接できる、ということです。
・JL008→AA2118
ボストンを経由するというもの。意外と時間的には効率的なのですが、ボストンの空港はターミナル移動が面倒だし、DCAにはやや遅めに到着することになってしまいます。
以下、あまりよくないもの
・成田を午前に出発するダラス・フォートワース行で経由。
これは乗り継ぎが大変です。
・羽田を午前に出発するニューヨーク経由。
これは地理的に乗り継ぎが面倒。国際線のほとんどはJFKに着陸します。いくつかJFKとDCA(ワシントン=レーガン・ナショナル)を結ぶ便はありますが、ほとんどはラガーディアがこれを受け持っているため、時間を効率的にと考えるとラガーディアに移る必要があります。
・成田を夕方に出発するシカゴ経由。
もしアメリカン航空155便の利用してシカゴに入るのですが、いずれかが遅延したらワシントンに入るのが深夜になる可能性がある。それから、夕方にシカゴに到着する国際線が多く、入国審査にかなりの行列ができたことを一度経験しました。
まあ、時刻表を眺めるのが好きな人間にとっては楽しい時間でした。
あと個人的に期待したいのが、この秋からキャセイパシフィックが香港―ワシントン便を就航させるみたいなので、機材が最新鋭A350-1000ということもあり、また香港でのトランジットも楽しいでしょうからこれで一度は日本に帰ってみたいものです、と述べて第1弾を〆させていただきます。
LL.M.生活の概要:サマーから始まる1年間
皆さん、こんにちは。Keiです。
自己紹介を兼ねた1つ目の投稿の次には、ジョージタウン・ローのLL.M.の1年間についてさらってみようと思います。
通常日本であれば、4月はじまりですが、アメリカを含む諸外国(のほとんど)は9月が年度始まりです。これに従って、秋学期が1学期になります。アメリカのロースクールを含む大学等の教育機関は感覚で申しますと、秋学期と春学期の2期制で、秋学期は9月に始まり12月に終わり、春学期は翌年1月に始まり5月に終わるのがたいていの流れです。勿論、学校によって設け方が違うので一概には言えないと思います。
ジョージタウン・ローは先ほど述べたように、9月初頭(正確には8月の下旬)から始まり、12月の半ばまでを秋学期、1月の頭から5月中旬までが春学期となっています。
しかし全米のLL.M.を設置しているロースクールの中には、ジョージタウンのように、サマープログラムを設けている学校(ボストン大やUSCなど)もあります。このサマープログラムの大きな趣旨は、LL.M.が基本的に非アメリカ人を対象にしているという側面から、導入部という位置づけになります。また、非・英語話者(i.e. 母国の公式言語が英語ではない国の人々)にとっては、クラスに慣れるための準備期間ともいえるかと思います。
ジョージタウンの2018サマーはは7月9日(実質は7月10日)から8月17日までの約ひと月です。この間は前後半2つに分かれ、前半ではFoundations of American Law、即ち「アメリカ法基礎」の講義をサマー参加者は全員1つの教室で受けます。後半に入ると、"U.S. Legal Research Analysis & Writing"若しくは"Professional Responsibility"のどちらかを選択して受けることになっています。それぞれ2単位設定されており、卒業単位に算入されると同時に、これらの科目は全てではありませんが、NY Bar(ニューヨーク・バー、ニューヨーク州司法試験)を受けるために必要な科目にもなっているので、サマーに参加することで秋学期ないし春学期にこれらの講義を履修する必要がないという大きなアドヴァンテージがあるのです。
このサマーにはおよそ100名の学生が参加しており、大きくグループ分けしてみると、中南米諸国(1つに括って恐縮ですが、大体の内訳として、メキシコ、アルゼンチン、コロンビア、パナマ、ホンジュラスなど)中国、インド、日本、ヨーロッパ(フランス、イタリア、スペイン)という顔ぶれでしょうか。勿論、韓国やフィリピン、アフリカ諸国などからも学生が来ています。
特に日本人の私、それも日本の教育をしっかりと受けてきた人間にとって、これほど多様な環境で講義を受けるという新鮮味は驚きとともに何か挑戦的な環境にも思えました。これについては追々この後の投稿記事で触れていきたいなと思います。
ジョージタウン・ローセンター 2018 LL.M. ブログ開設
皆様こんにちは。Keiと申します。
これから1年間、できる限り(途中で断念してしまうかもしれませんが)アメリカのロースクール生活をこのブログで綴ってみたいと思います。
私は、この夏(2018年7月)から1年間、アメリカのワシントンD.C.にあるジョージタウン大学ロー・センター(Georgetown University Law Center)のLL.M.プログラムに参加します。
このLL.M.というプログラムは他のブログやウェブサイトにも紹介されているかと思いますが、法学修士に相当し、主に非・アメリカ人がアメリカの法律を中心に勉強するために設置されているものです。勿論、学校によっては専門的なプログラムを設けている学校も多く、例えば、ジョージタウンであれば、税法(taxation)のプログラムがあり、そこには多くのアメリカ人学生もいます。
既に夏のプログラムが始まって約ひと月、その時から書き始めればよかったのでしょうが、あれこれ準備やら講義やらを受けているうちに8月になってしまいました。
ですのでこれからしばらくはこれまでのことを中心に、キャッチアップするために書いていきたいなと思います。同時に、日本人のLL.M.生は全米各ロースクールに散らばっておりまたその規模も多いのですが、実際、最近の留学生活を書いているものがさほど多くはないように見受けられましたので、このブログが今後LL.M.を目指す方々やアメリカのロースクールに関心のある方々にとって参考になるものになれば嬉しく思います。