秋学期開始と履修登録
実は秋学期はこの投稿をしている9月16日(東部時間)のおよそ4週間前から始まっていました。
8月20日よりおよそ1週間のオリエンテーション週を経て、講義の週へと入ってゆきます。
最初に行われたのはWelcome Ceremonyですがこれを日本の入学式と当てはめて考えるのは甚だ違和感があり、簡単な報告や学長等の挨拶があるだけの簡単なものです。
今年はなんとアジア圏からの学生が55%を占めているという報告があり驚きでした。この2018/2019のLLMの場合、恐らく圧倒的な中国、次いでインド、日本、、、、という順序でしょうか。日本人も今年は例年以上に多いとのことをLLM担当のAssistant Deanが述べていました。
その後、学生生活を送るにあたってですとか、JDとの合同でセレモニーがジョージタウン・メインキャンパスで行われたりと、和気あいあいとした第1週を経ると、続く週には何を履修するかを考えなければなりません。
6-7月に予めに履修したい科目を登録し、その結果(科目によっては抽選が行われます)が8月半ばに反映されて、それを踏まえて履修を組む必要があります。無論、「これを取る!」と決めていても実際の講義形態や先生の人柄(これ結構大事ですよ)を見る必要があるので、この週はほとんどすべての学生の履修科目が変動します。
勿論、教室の規模にも制限がありますから履修可能人数に上限が定められているものが多く、その上限を達するとWaiting Listというプールに入れられて、誰か履修登録できている人が登録を解除するか、例外的に先生が席を増やすことをすること、のいずれかが起こらなければ履修登録することができません(それでも履修したければ聴講という選択肢があるかと思います)。
Waiting Listには順位がつけられ、これは登録順ではなくランダムに割り当てられます(注:登録締め切り日がいくつも設けられ、一度締め切られると抽選が行われて番号が振られるシステムになっています)。ですので、教室の容量と自分の順位を計算して、見立ててゆく戦法が必要なのです。
実際に私の履修登録も当初のものから大きく変わりました。
例えば、FinTech法のセミナーを履修登録していたのですが、思い描いていたものと違ったので履修することを止めたり、またクラスメートから教えてもらっていったクラスが思いのほか面白かったりと、なるほどかなりの流動性の高さというものを感じ取ることができました。
こうしてあれこれ思案して、結果として、
Corporations/会社法(3単位)
International Trade Law and Regulation/国際経済法(2単位)
Hot Topics in Antitrust/反トラスト法セミナー(2単位)
U.S. Legal Research, Analysis and Writing/法律文書作成入門(2単位)
Drafting Contract/契約書起草(2単位)
Introduction to U.S. Constitutional Law/憲法入門(聴講)
の結果11単位を登録することとしました(上限は13単位が設定されています)。
もしジョージタウン・ローの講義にご関心のある方がいらっしゃいましたら、以下のリンクから講義の概要を見ることができます。
可能かどうかわかりませんができる限りこれらの講義で得た「学び」というのを今後の投稿できればいいなと考えています。
サマーの試験
こんにちは。
今日はサマーの締めくくりをすべく、サマーの試験について書きたいなと思います。
このサマーでは2つの科目を履修して、それぞれ勿論に試験がありました。
このジョージタウン・ローでは2つの試験形態があります。これはどこのアメリカの大学、ロースクールにも共通することかと思いますが、①教室試験(in-class exam)と②持ち帰り試験(take-home exam)の2つになります。
教室試験は、勿論、担当教授の指示により、科目によって持ち込み可、持ち込み不可といった違いは当然にありますが、いわゆる日本の大学でいう期末試験と遜色ありません。後で述べるように、日本のそれと大きく異なるのはパソコンで答案作成してもよい(それよりも後で述べるように、寧ろ、99.9%の学生がパソコンを利用していたといっても過言ではないでしょう)ということです。
その場合、”EXAM4”というソフトをあらかじめ自分の持参するパソコンにインストールしておく必要があり、そのソフト上で答案を作成・提出することができるのです。ただし、このソフトで答案を起草するにあたって制限を受けます。その一例として、コピペが一切できないようになっているのです。ですが、このソフト優秀なのが、スペルチェック機能が付いていて、我々のような非・英語話者にとってはとてもありがたいものです。
他方、持ち帰り試験というのは定められた期間(およそ1週間から10日)の間の好きな時間に受けていいというものです。たいていは、6-8時間、長いもので48時間というものがあると聞いたことがあります(なお、これがジョージタウン・ローであったかどうかは定かではありません。)昔は事務室に行って、時間を記録していたようですが、このご時世インターネットのおかげでわざわざそのようなことをせず、試験問題をダウンロードした時点からタイマーが回るようになっています。
持ち帰りですから、もちろん自分のノート、教科書、参考書等を見ることが認められています(し、無論、他のクラスメートと一緒に受験することは禁じられています。)
最初のFoundationsの試験は教室試験でした。指定された教室に行き、受験します。ただ日本と異なり、自分のPCを持ち込んで答案作成する人がほとんどでした。というのも、選択肢として紙に書いて提出することも認められてはいますが、修正することを考えるとパソコンの方が有益でしょう。
制限時間3時間のテストで、大問が2つでした。1つは事例問題、2つ目は6-8個の中問(数文の理由付けが必要となる問題)から構成されています。これは事前に試験形態について説明があったものですから当然の理解の上ですが、やはり当日にならないと試験の中身はわかりません。
学生同士で予想しあっていましたし、実際のところ、時事問題に絡めた過去問(学校側が提供してくれます)が大問1に見られたので、そこから考えて、私の予想が喜ばしくも半分はあたりました。
しかし、そうは言ってもかなりヘビーな問題で、4-5個の論点を提起しなければならず中々に大変でした。
中問の方はどれも基本的なものばかりでしたが、問い方がイジワルなものもいくつかありました。
実際、答案を書き終えたのは試験終了の15分前でそこから校正に入ったりしていたらあっという間に試験終了の合図が送られました。
所感としてはそんなところでしょうか。
続いてProfessional Responsibilityの方は、持ち帰り試験でした。制限時間は4時間で、ケースの大問1つと4択の問題が10個でした。4時間なら余裕じゃんと思われるかもしれませんが、選択肢の問題はA-Dの4つから選んだ後、なぜそれを選んだのかという理由付けが必要となります。なので結構アタフタしますし、何より、何かあったことを考えると4時間丸々使えないのです。例えば、試験問題をダウンロードしたけど読み込めないですとか、或いは最悪なケースとして答案を提出できないということも有りうるからです。ましてや、初めての持ち帰り試験ですから、用心するに越したことはなく、それでも3時間45分を答案作成に費やして、提出することができました。
この講義はもともとMPRE対策、ひいてはNY州司法試験の必須科目ですので取らざるをえないのですが、それでももう少しMPREに寄せた試験にしてほしかったかなと思います。
最後のくくりとして、このサマーは前の投稿で述べたように、秋への導入ですから、それぞれの科目が異なった試験形態をとってくれているのも何か有難い限りです。秋学期から入って、12月に初めて不慣れなソフトやシステムで試験を受けるというよりは先に1つでも多く経験しておくことがアドヴァンテージに働くのではないのかな、それがサマーに参加する利点の1つであると考えます。
サマー後半:Professional Responsibility
およそ2週間ぶりの更新となりました。
今週で一気に9月まで追いつこうと思っております。
先の投稿でサマー前半のクラスについて扱いましたが、後半はどうかと申しますと、2つの講義から1つを選択して選ぶことができます。
1つはU.S. Legal Research, Analysis & Writingという講義名のクラスで、アメリカ法務を携わるに必要な基礎的な能力、特に、ライティングやケースブリーフのまとめ方などを学ぶ授業です。
もう1つが、私の選択したProfessional Responsiblity。所謂「法曹倫理」という講義です。
どちらの講義もニューヨーク州司法試験(NYバー)を受験するための履修しなければならない講義です。勿論秋学期と春学期にも開講されていますから、このサマーに来なければならないということはありませんが、サマーで取れるというのはアドヴァンテージになります(無論追加的に学費を納めていますが、何より本学期により自分の取りたい講義がとれるという方が大きいように思えます。)
今年度のサマーでは、U.S. Legal Research, Analysis & Writingは月曜日から金曜日、毎日2コマのインテンシヴなものになっているようです。サマーの前半に一度説明があり、サマーのU.S. Legal Research, Analysis & Writingは本学期のそれとは異なる、よりインテンシヴで内容も濃くなるという説明がありました。
(*サマーが始まる前に既にどちらを選択するかは決めてありますが、所定の期日までには変更することが可能なのです。)
他方、Professional Responsiblityの方は、月水金の1日3時間の講義のみ。U.S. Legal Research, Analysis & Writingに比べてスカスカの日程です笑こちらはロイヤーとしての倫理を学ぶ授業で、私や大多数の中国の学生を除き、殆どの学生は母国での有資格者ですから、母国での法曹倫理を学んでいる以上、応用的になるのですが、私の場合初めて学ぶこととなります。
特に難しいのは、グレーゾーンの倫理でした。犯罪に着手しちゃいけないとか顧客を裏切ってはいけないというのは一般的に考えてもダメということはわかりますが、その分水嶺、例えば、ある事件で被告側の企業に関係していたが、その後その企業の活動により自らの家族への影響が出ることを理由に関係を解消し、代わりにその企業の活動を止める反対派に回って、あれこれ公の場で反対派の主張をした場合にどのような情報話してはいけないのか(秘匿特権、弁護士―顧客間関係、過去の顧客に対する義務など)など突き詰めて考えると中々に面白いと同時に難しいところです。
Professional Responsiblityを私が選択した理由は、Professional ResponsiblityがNYバーの合格要件の一つになっているMPREという法曹倫理の試験を受けるためです。1年に数回行われていますが、予定では11月に受験することを考えると、秋学期に履修しても間に合わないためです。
ご存知の方もいらっしゃるかと思いますが、NYバーを外国籍で、かつアメリカのJDを取得していない者が受験する場合には、州司法試験委員会に資格の有無を問い合わせる必要があるのですが、その資格の返答は10月以降にならないと来ないという中、見切り発車になりますが、先んじるに越したことないと思います。
このProfessional Responsiblityは、サマー全体の2/3ほどが受講する講義なのですが、そのために2つのクラスに分けられました。それぞれ講義形式に特色のあるようで、私がいた方は、毎回指定された規則(全米法曹協会(ABA)が出す規則)とその規則に関わるケースを5~8件読むという日々にありました。もう一方のクラスは教科書を用いつつ、ディスカッションを交えて講義が進んでいたようです。しかもその先生は毎週金曜日の講義後にクラスでピザ・パーティを開いてくれているという何とも素晴らしい先生のようでした(私を含めそのクラスではない学生は余りにあやかってはおりました)。
というようなおよそひと月のサマーでした。
サマー前半 : Foundations
またまた週末の投稿になりました。
8月ももう終わりというのにこの投稿は7月の内容を扱います笑
さて先の投稿で教科書を購入したことをお伝えしましたが、遂に講義が7月10日から始まりました。
このサマープログラム(サマーエクスペリエンス;Summer Experience)は7月9日~8月17日までのおよそひと月半の期間に及びます。その間、前後半の2部に分かれます。
前半(7月9日~7月27日):Foundations of American Law (アメリカ法基礎)
後半(7月30日~8月17日):Professional Responsibility (法曹倫理)OR U.S. Legal Research, Analysis and Writing(法律英語)
この前半にはアメリカ法基礎をおよそ100人の学生全員が同じ教室で受け、後半は選択肢の中からどちらか履修したいクラスを1つ選ぶということになっております。
前半のクラスは月曜から金曜を通して、毎日2コマ、2時間の講義です。
日本と違って(少なくとも自分の経験則ですが)講義が長い分間に10~15分の休憩が入るので、実質1時間45分程度でしょうか?
大教室なため、教授が指名して答えさせるというソクラテス・メソッドはこの講義ではとられておらず、随時自ら進んで発言するということが期待されています。
毎回の講義では1コマ当たり20~30ページ程度の指定された箇所を読んでくることも期待されます。その理解の上で講義が進められ、勿論予習時にわからなかったこと、頭に浮かんだ疑問などを教室で問うことも当然にできます。
今思えば、これから秋学期が始まるのですが秋学期のそれぞれの講義のシラバスに照らして、このサマーの1コマ当たりの予習量は、秋学期の講義に比べてはずっと少ないように思えます。勿論、サマーは非・英語圏の人間が大多数ですので、アメリカの教室に慣れるという意味合いが強くある以上、そのように「抑え気味」になるのも当然かとは思いました。
前半のクラスでは、講義名の通り、アメリカ法基礎を扱います。
コモン・ローとは何か、アメリカに併存する制定法とコモン・ローの関係、アメリカ憲法、不法行為法、契約法、製造物責任法、会社法をざっとさらうものですが、後々試験対策をしていて、日本ではあまり有名ではない判例を使ってはいるものの、教科書の構成が素晴らしいために短い時間であっても、本質に近づくことのできるアプローチがとられているように思えます。
その一例として、アメリカにおける製造物責任法の誕生が、契約上の保証(warranty)と不法行為法の合流によって形成されたという、時系列を伴って法の発展を見るというのは、日本にも同じことは言えますが、アメリカ法の特色の下ではより一層際立つものと言えるかと思います。
数多くの判例を扱いましたが、やはり印象的だったのは、2013年のObergefell v. Hodges最高裁判決でしょうか。この判決を読んでみるとアメリカ法を学んでいるんだなということが強く実感できました。同期の日本人弁護士の先生がおっしゃるに、夫婦別姓事件判決で合憲が出る日本の感覚では到底たどり着かないレベルの話をしているとのことでした。ニュースでしか日本で取り上げられていない、同姓婚を禁ずる州法に違憲を突き付けた最高裁、とでしか日本では認識していませんでした(法科大学院や憲法ゼミの皆様違ったらごめんなさい)が、判例を読んでみて、なるほど、権利を「主張」する、権利を「確認」するとはこういうことなのだな、というその片鱗を見ることができました。最後の段落の1文目が素晴らしいと称賛している人もいらっしゃるようです。
“No union is more profound than marriage, for it embodies the highest ideals of love, fidelity, devotion, sacrifice, and family. “
さすがは最高裁判事、文才の溢れんことをみますと、私の大学(&大学院)の恩師の先生が文学を読むように学生に強く勧めていることにも合点がつきます。
もちろん、故スカリア判事らの反対意見(小さな裁判所という概念)というのも理があり、非常に難しい決断を下したということがわかりました。
今振り返れば、Foundationsは1日2コマあるので、最初の1歩目としては大変でしたが、慣れるという意味においても、また、夏に単位を取得できるという意味においても、非常に価値のあるものでした。2019年以降、ジョージタウン・ローのLL.M.を検討なさっているには強くお勧めします。
何より、このサマー・エクスペリエンスには一定数のLL.M.生が来ますし、同じ講義をひと月半受けるので仲良くなるという意味においても、秋学期から参加することに比べ、友人や繋がりができるという精神的な余裕を与えてもくれるものだと思います。
教室が寒すぎる!~ERに行く
「教室が寒すぎる!」
初日からずっと思っていたことです。
ブログ更新にお時間をいただいたのはこれが実は関係しています。
日本では考えられないくらいの強さでエアコンを入れます。最も日本人に比べ諸外国の人の方が寒さに強かったりします(例えば、日本でも冬に半そでTシャツで刊行する外国人見かけますよね)が、それでもほとんどは口々に"fu*king cold/freezing!(寒すぎる)"と言っています。
外は日中30度前後まで上がるワシントンの夏の内外気の温度差が激しいです。
このせいなのか、またこれに新天地の環境への順応、日々の疲労の蓄積といったこともあってか、ついに先週の金曜日(8月10日)に急に悪寒を感じ急いで自宅に戻りました。
体温計で測ってみると100.0Fと表示されますから摂氏だと37.7度。
2週間くらい前から喉痛を経験していたので手元にあったNyQuilというアメリカの市販薬を買って長袖を着て寝ます。寝る前に、2週間くらい体調がおかしいため、ここで熱が出るというのも何か嫌な予感がしますのでついに病院に行くことを決意します。
ただしアメリカの病院の多くはERを除き、予約制ですので、どこに通えるか調べるため、手元にあるクレジットカード付帯の保険が効くところを見つけるべくカード会社に電話。翌朝に折り返しで電話をくれるとのことでした。
翌朝、電話を待ちつつ体温を測ってみると100.3F (37.8C)に上がっています。
電話を受けるとワシントンD.C.に提携している病院はない、と。ただし、大型病院のERであれば、FAX等で保険会社が支払いの引き受けを示す書類を送れることから、ERに行ってくれと。
クレジットカード付帯ですので、所定の上限額までの治療費、薬代(アメリカは医薬分離)、そして往復の交通費が補償の対象です。(カードの会社や条件によって違いますのでご確認をお忘れなく。)
はじめてのER。かのドラマのごとく、ジョージ・クルーニーがいる世界の中を見ることができます。
到着すると、保険会社に指定されたようにパスポートを見せ本人確認と受付を行います。その際、腕には、入院患者のような輪っかのタグがつけられます。
待合室で呼ばれるのを待つと、まずは簡単な問診が行われます。どのような症状かを聞かれたり、熱を測ったり、体重身長を答えたり、と。
再度待合室で待つよう指示されると、別のところから呼び出されます。
そうすると本当にドラマのような、ストレッチャーに横になっている意識のあるのかわからない患者さんや半分起こされて医師と話す患者さんがいます。
自分もカーテンで仕切られる、ストレッチャーのおいてある場所に通され、着替えるように指示されます。
その後看護師さんやらジェネラル・ドクターのような人が問診に来て、さらには白衣の若手の医師、また日本語の話す日系アメリカ人(だと思います)の医学生(研修でしょう)、ERを仕切っていると思われる年配のドクターなど入れ替わり立ち代わりに来るではありませんか。
この時は5人もの白衣を着た医師が同時に私の前に来てあれこれ問診してくださったのですが、診断は「風邪」ということでした。
診断後にすごかったのは、初診ということもあり、情報の登録のためにあれこれやったこともありますが、診察後にかなりの書類にサインしなければならないのです。
支払いの意思を示すこと、携わった医師以外にも患者の情報を公開することを許可する書類など、かなりの枚数。さすがは訴訟大国、病院もその対象によくなりますから防衛策もしっかりとしています。
その後、帰宅して寝たのですが、全く熱が下がらず、時には103F(39.4C)にまで上がってしまい、月曜日にも再来院することになります。。。。
再来院したときの診断は細菌性肺炎。初めてかかりました(記憶の限りですが)。
ただ点滴と投薬のおかげで1.5日ほどで80%くらいは回復。
うーん、土曜日の時にはしなかった血液検査や胸部X線検査のおかげです。
このせいで授業も1つ休んでしまい、そちらの精神的な負担の方が大きいのですが、まあ治って(重症化する前に止められて)良かったなとは思っています。
これからどんどん寒くなってゆくD.C.。これから体調管理にはより一層気を付けなければなりません。
サマー開始まで③ー教科書を購入ー
久しく更新が途絶えてしまいました。その事情は後に書かせていただきたいと思います。
さて、サマーが始まる目前にし、教科書を買いにも学校のBookstoreに行きました。
その時はまだ学生証が交付されていませんでしたので、建物の入り口で写真付きのID(パスポート)を見せ、ヴィジター・パスをもらいます。これはジョージタウンにも限らない話かと思いますが、日本以上に「大学の自治」が担保されています。
基本的に関係者以外は入ることができませんし、用事のあるものは必ずこのようなヴィジター・パスを警備の方からもらわなければなりません。
警備にあたっている方々の腰には黒く光るものがあったり、学校のパトカーを備えているのは当然、中には他学部と同じ広大な敷地を有するロースクールであれば、キャンパス・ポリスに加えて、ポリス・ステーションや拘置所、消防車、バリケードなどを備えている学校もあります。
ジョージタウン・ローはジョージタウン大のメインキャンパスから離れた場所にございますが、しっかりとスクール・ポリスはいますし、どの建物に入る際にも、警備員にIDを見せたり、あるいはIDをスキャンしないと入稿できないような構造になっていたりするので、安全性は極めて高いでしょう。
(日本での警備員さんが正門に2-3人立っているのとはレベルが違うなとは思いました)。
脱線はこれくらいにして、教科書を購入するために建物に入り、キャッシャーの人に教科書の倉庫に入れてもらいます。
日本では中古の教科書というと、先輩から譲り受けるとか、中には運よくAmazonやブックオフで見つけるということがあるでしょうが、アメリカの大学では自らのBookstoreが中古版を売っています。
基本的にアメリカのロースクール(ジョージタウン・ロー)の教科書を学校で購入する場合には、
1.レンタル
(a) 中古のレンタル
(b) 新品のレンタル
2.購入
(a) 中古版
(b) 新書
のいずれかになります。価格もアルファベットを下るにつれ値段が上がります。
サマー前半の中古版がラスト1つ残っていたので拝見してみましたが、前の学生の書き込みがあったり、コーヒーをかなりこぼしたシミが側面に残っていたりとあまりいい気のしないものでしたので、結局新書を購入することにしました。
後でクラスが始まってみると、クラスメートの中には、
図書館にある版や他人のものをスキャンしてパソコンに取り込んで使う学生や、デジタル版、電子書籍版を購入する学生、Amazon等の市井の本屋で購入する学生がおり、この現代ならではの入手方法があるなと思いました。
指定された教科書のタイトルは"Law in the United States"
この本を著しているC. Abernathy教授はジョージタウンの名物教授にして、このサマーでも教壇に立つ教授の1人です。
買った本を持ってホテルに戻り、数日前にメールで送られてきた、指定された箇所を初日のクラスのために予習として読み始めることとしました。
サマー開始までの数日間②ーサマーまでの宿泊先と携帯電話ー
こんにちは。
前の記事に引き続き、サマー開始前までに何をしたかを簡単に綴りたく思います。
5時間ほど遅れて入ったワシントンD.C.ですが、サマーの始まる7月8日までのおよそ3日間をホテルに泊まりました。ワシントンD.C.は中心部に近いほどホテルが高くなる傾向があります。その分、そのすそ野に広がれば宿泊費を抑えることができるわけです。
私はしかし利便性を考え、Phoenix Park HotelというUnion Stationから徒歩数分のところにあるホテルを選びました。
https://www.phoenixparkhotel.com/
ExpediaやHotel.comからのサイトではときおりかなりの割引がなされたりして、1泊およそ$130くらいで泊ることができました。
地の利が良いだけではなく、環境も客室もよく、また朝6時半から10時まで簡単なコーヒーなどのビバレッジサービスをやっています。
またこのホテルはその金額だけではなく、ジョージタウン・ローからわずか1ブロックのところにあるのです。スーツケース2つを転がすことはそこまで大変ではないのですが、やはり近い方が楽ではあります。
到着翌日、私は米国の携帯電話の回線を開くためにまずはGeorgetownにあるAppleに向かいました。
アメリカにいらっしゃる日本からの留学生は近年のサービスの拡充により、HanecellやH2Oなどの日本にいるときに米国のSIMカードを入手できたり、そのプランもかなりお手頃だったりします。
他方、アメリカの通信会社と契約する場合、その多くは、米国銀行の口座に紐付いたクレジットカードや社会保障番号などが契約の必須条件となっているものもあります。
そこでも私が米国で携帯電話を入手し、回線を開いたのには以下の理由がありました。
・日本で利用していたiPhone6がSIMロック解除できないものであった。
・アメリカのものと2台持ち(LINE等のアカウントを維持)したかった
・アメリカのiPhoneがほしい。折角ならばiPhoneXにしよう
・アメリカのiPhoneはカメラで撮影するときに「カシャ」という音がしない
そこでAppleにてiPhoneX (64GB)をおよそ$1000購入し、AT&Tに向かいました。
AT&Tを選んだのは事前にサーチしてあったからです。AT&Tで契約する場合、通常上述したような条件がいるのですが、プリペイドは別です。
プリペイドは日本の口座についているクレジットカードでも利用可能で、社会保障番号などは不要なのです。AT&Tはgo phoneというスマートフォン用のプリペイドSIMがあり、様々なプランを展開しています。
私が選択したのは、月$50の8GBLTE通信、米国内(及びカナダとメキシコ)通話無制限、SMS無制限のプランです。日本の大手に比べて割安ではあります。
更に、現在AT&TがAutopayという自動決済に登録すると月額$10の割引を受けることができたのですから、実質月々$40+諸経費(税金など)で利用可能になりました。
このAutopayは回線を入手した後、自分でオンラインで設定しなければなりません。
通常go phoneのプリペイドを毎月所定の日までに更新しなければ自動解約されるというシステムではありますが、Autopayにしておけば、その更新日を忘れていても自動で更新されるのです。むろん、クレジットカードを登録しておく必要はあります。
およそひと月使ってみて、日本の大手キャリアに比べると、確かにほんの気持ちだけ場所によっては通信状態が悪いところもあります(例えば、地下鉄の駅間のトンネルなど)が、基本的に文句はありません。AT&Tの敷いているネットワークを利用できるのでかなり早い方ではあります。
そんな感じで携帯電話の回線を開き、様々なセットアップを完了させた翌日でした。